主人公は、クラスメイトの男子に片思いしてる女子高生で、この子が一癖も二癖もある性格という、青春系ドロドロ恋愛映画。
片思いしてる相手の男子が別の女子高生と付き合っていることを主人公が知ってしまうところからストーリーは動き出すんだけど、この導入部分はわりとベタな感じだった。
しかし原作は綿矢りさの小説で、この人の作品がそんなストレートでピュアな恋愛模様を描くわけもなく、進めば進むほどに心理描写も人間関係も複雑に入り組んでいく。
主人公は恋愛を拗らせに拗らせた結果、だいぶヤバい性格に仕上がっている。ただそれでも漫画的な主人公像よりかは、こういうキャラクターのほうがよっぽど共感しやすいと思ってしまう自分も相当拗らせているのかもしれない。
そういう意味では主人公に対しては共感性が高かったんだけど、その反面、主人公以外の周りの人間が汚れてなさすぎたり、もしくは極端すぎると思わないでもない。だからこそストーリーの最終的な畳み方には少し物足りなさを感じてしまった。でも終わり方は文学的で洒落ていたとは思う。
あと、多分ラストの意味が分からない人は性格がいい。
余談だけど、最近『ゴールデンカムイ』で山田杏奈を見たばかりだから、役にギャップがありすぎて耳キーンとなった。