富樫鉄火

ラシーダの富樫鉄火のレビュー・感想・評価

ラシーダ(2002年製作の映画)
4.0
#39 イスラーム映画祭7@ユーロ
アンコール上映で初鑑賞。
20年前に発表された、アルジェリア初の女性監督による処女作。
内戦下、無差別テロに翻弄されトラウマに陥る一般女性の姿を描く。
処女作のせいか、カメラワークや編集にぎこちなさもあるが、それがかえってドキュメント色を強めていて、不思議な力強さを覚えた。
主人公の女性教師役の女優も魅力的で、公衆浴場や結婚式など、初めて観るアルジェリアの風俗描写も新鮮だった。
カミュ『ペスト』や、映画『アルジェの戦い』『パピチャ 未来へのランウェイ』などで、なんだかアルジェリアは、常に「翻弄」させられている国のような印象があるが、その陰で、一般市民はどういう目にあっているのかが、とてもよく伝わってきた。
ラスト、テロで荒れ果てた小学校に、それでも子どもたちが通学してくるシーンは実に感動的な名場面だった。
上映素材がDVDなのか、細かい部分にギザギザが出ており、ちょっと見にくかった。
富樫鉄火

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