・ジャンル
スラッシャー/ホラー
・あらすじ
テキサス州のゴーストタウンと化した町ハーロウへとやって来たシェフのメロディとダンテ、メロディの妹ライラ、ダンテの婚約者ルースの4人
理想主義者の団体に所属する一行はこの地に投資家を呼び込み店を始め町おこしをする事が目的だった
しかし到着して間も無く問題が起こる
既に立ち退きしていたはずの老女、マック夫人が自宅兼児童養護施設であった建物に住み続けていたのだ
彼女が残り続けていたのは外界を嫌う“最後の子供”である青年を守り続ける為でもあった
事情を聞きながらも退去を求めるメロディとダンテ
しかし彼女は応じずやむなく保安官を呼ぶ事に
すると間も無くマック夫人は心臓発作を起こして死亡してしまう
責任を感じ妹を連れて町から帰ろうとするメロディ
だが老女の死を受けて青年は殺戮を開始
一行を次々に手にかけていく
彼の正体は‘73年に惨劇を起こした殺人鬼レザーフェイスだったのだ…
・感想
人皮マスクにチェーンソーでお馴染みの殺人鬼レザーフェイスを描くシリーズ9作目
‘74年の1作目の続編として製作されたのは今作で2作目と7作目に続き3度目
1作目の主人公サリーも復讐の為に町に残ったレンジャーとして登場する現時点での最新作となっている
オリジナルシリーズ、リメイク版2作、リブート版2作を経て製作された9作目の今作
既に2度、オリジナル1作目の続編が作られている中でどんな内容で攻めてくるか?と期待して鑑賞したけど正直言って期待外れだったかな…
まず今作に登場する殺人鬼はレザーフェイスのみで過去作に登場したソーヤー家あるいはヒューイット家は1人も出て来ない
シリーズ全体を通して殺人一家という物が大きな要素になっていただけにこの時点でやや物足りない
食人目的でも無くなっていたし…
家族が全滅し、児童養護施設のマック夫人を母の様に大事にしているという設定があるとはいえ2人の関係性もあっさりとしか示されないので動機が軽く感じられてしまった
加えて1作目の唯一の生存者サリーをせっかく復讐者として登場させたにも関わらずあっさりと殺されてしまうし、主人公メロディ達との関係も構築されぬままで終盤まで影が薄い事もあり必要性が感じられなかった
また端々に舞台である町ハーロウが時代に取り残された場所である事を示す要素が散りばめられていたけど数少ない住民の1人である改装業者のリクターもいまいち活きていなかった
古臭い価値観で不器用だが根は優しい人間として描かれていた割に呆気なく死ぬし…
いっそソーヤー家の息子にしてレザーフェイスとグルにしていた方がまだ意義のある存在になっていたと思う
そして肝心の主人公メロディ達の過去やドラマもチラ見せ程度に終わっていたので単純にストーリーが面白くない
それこそ何かしらのきっかけでサリーと姉妹に強い絆が生まれていればまだどうにでもなっただろうに…
そもそもの町へ来た目的も何かフワッとしていて中途半端に社会派性を小出しにしていたのもメッセージ性に繋がっていなかったのも雑な感じ
唯一良かった所と言えば殺戮の描写くらい
リメイク版以降の激しいゴア描写を踏襲し、切られた下水管からメロディが糞尿を浴びる羽目になる不快描写などもあった
それでも最も印象的だったのが最初の殺人である保安官殺しのシーン(手首を折り飛び出した骨で刺殺)だったので以降は過去作と差別化も出来ておらず冗長
尺はシリーズの中で最短なのにね…
キル数が割と多めだったのは嬉しかったんだけどなぁ…
あと車の自動運転を活かしたラストの殺しは好きだった
今後、新たな作品が作られるかは分からないけどオリジナル1・2作目とリメイク版2作が良過ぎたからもうこれで終わりにした方が良いと個人的には感じる
もうこれ以上、面白い続編や前日譚が生み出せるとは思えないので…
そう考えると「ハロウィン」や「死霊のはらわた」って本当に巧かったんだなぁ
これでシリーズ完走は終了
本当なら有終の美をしっかり飾って欲しかっただけに残念…