このレビューはネタバレを含みます
濱口監督の作品ということで鑑賞。
3つのストーリーでそれぞれの偶然が起こり、様々なストーリーが生まれてた。
終始、長尺の劇のような会話が繰り返されていることによって偶然がテーマなのに劇の台本の必然性が感じられて、偶然と必然について考えさせられた。
今この偶然は人生全体を見たら必然なのかもな〜
1話目
親友の好きな人と自分の元カレが被る偶然
顔や見た目などの身体的な欲求(自分)vs性格が合うみたいな精神的欲求(親友)という永遠のテーマのように感じた。魔女に惑わされず親友を選んでくれてよかったけどそれが正解かはわからなくなった。
2話目
ハニートラップから始まる偶然。
すれ違いコントみたいな面白さ
そんな簡単に自分は変えられないから自分を貫け、みたいなメッセージが響いた。ずっと無機質な先生が録音を貰いたがる展開は面白かった。結局2人の人生は上手くいかないでクズ男が上手くいくのも皮肉がきいててよかった。
3話目
最初から悩みがあるのがわかって親友と偶然再会からの解決って展開かなーと思ってたら…「べ、別人?!?!w」ってなった。
同窓会でのスカートのくだりや家に行った時に夫をパートナーって言ってたりする細かい伏線が良い。
お互いが友を仮定することで悩みや本音があらわになる。「時間にゆっくり殺される」って言葉が良かった。
題材はシリアスなのにごく普通の会話の中のコメディ要素が面白い。個人的には3話目が好きだった。
正面からのカットが迫力も説得力も相まって響いた。
終わり方が続きを考えさせるようなもので「偶然と想像」というタイトルがピッタリ。