くらげ

偶然と想像のくらげのネタバレレビュー・内容・結末

偶然と想像(2021年製作の映画)
4.0

このレビューはネタバレを含みます

じわじわ来る面白さ。

1本目はタクシーの中の女子トークが可愛くてニヤニヤしながら見ていたら、急激に激しい言い争いに巻き込まれ、カフェのシーンで唐突に下手くそなズームアップで、ん?と思ったら想像だったことが種明かしされ、「偶然と想像」ってそういうことか!となるんだけど、じゃあどこからが想像だったの??カフェで彼が現れたところから?それとも昨夜の喧嘩が既に想像?と頭が?でいっぱいになったところで次の話へ。

今度はどこからが想像か見極めてやるぞ!と身構えながら見るも、1本目のような分かりやすい転換はなく、登場人物の不自然な棒読みからして実は全部想像?となったところで5年後に移り変わり、どうやら本当だったらしい事が明かされるんだけど、いや待て、この5年後が想像かもしれないぞと訝りながら3本目へ。

前2本と違ってコンピュータウィルスで混乱した世界の話だというSFのような前置きが出るも、クラス会の翌日にクラス会に来なかった友達と偶然再会するという割と普通の展開。
ところが実は人違いだと判明。それでも本人のふりをして心残りを昇華させようという事になり、本当の友達みたいに抱き合うラストにちょっと涙腺が刺激されるんだけど、これはどこからが想像?と思い返すと、そもそもの世界設定から考えると全部が想像なのでは??となり、モヤモヤしたまま映画館を去る羽目に。

3段重ねだからこそのこのモヤモヤ感と煙に巻かれた感にもう一度見たくなってしまい、まんまと監督の思う壺にハマった気がして悔しい。お見事でした。
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