言葉にならない感情といちいち丁寧に向き合って、それらを言葉にできる人々。
その自分だけの感情を丁寧に掬い上げて、定型句に逃げずにひとつひとつ言葉にする。
その応酬が長回しで繰り返されていく。
こうもディープでプライベートな会話を垣間見ることは現実にはできないし、まして自分はこんなハイレベルな心情描写できる言語能力を持ち合わせていないから実体験はできない。
これは、まさに映画にしかできない体験。
実際にこんな人たちに出くわすときっとめんどくさいと感じるだろうけど、こういう会話ができる人たちを羨ましくも思った。
坂本裕二作品とはまた違う、だけどもずっと観てられる会話劇。マスターオブゼロや坂本裕二作品が好きな人にはハマりそう。
この監督をもってすれば、どんな些細な日常や人の営みも映画として成立しそう。