【偶然を起こすためには想像が必要不可欠 = 運命を見出すためには想像が必要不可欠。】
“会話は音楽だ。”
“スピリチュアル的でホラー的”[100]
今年初映画
濱口竜介が描く、オムニバス映画。何気にオムニバス映画は初でとても楽しめた。正直濱口竜介作品を見始めるとしたら、おすすめはしないが、濱口竜介作品が大好きな自分からしたら、めちゃくちゃ良かった。僕は#2 がめちゃくちゃ好き。
#1 「魔法(よりもっと不確か)」
“酷い「偶然」と旱天慈雨の「想像」”
あらすじ
撮影帰りのタクシーの中、モデルの芽衣子(古川琴音)は、仲の良いヘアメイクのつぐみ(玄理)から、彼女が最近会った気になる男性(中島歩)との惚気話を聞かされる。つぐみが先に下車したあと、ひとり車内に残った芽衣子が運転手に告げた行き先は…。
他の濱口竜介作品は本当にこうゆう作品を作る、プロフェッショナルだ。映画に距離を感じさせない、見てる側に共感を呼ぶ。誰が経験しても、違和感がない。古川琴音の演技が自然な振る舞いをしているが裏では強烈な感情が蠢いてるって感じが凄くいい、こうゆう悪女の欲情に満ちた演技が相当上手だ。
ただただ会話が続く、でも本当に飽きない。なんかずっと聞いていたいって言うかそうゆう感じがする。音楽みたいだ。サビのように強烈で鳥肌が立つようなシーンがあるし、そして終盤にかけて序盤にいた静けさが戻ってくる。
親友の幸せを優先し、自らの愛しい人を渡すって、結局芽衣子はいい奴じゃん。
#2 「扉を開けたままで」
“カウンセリングになっちゃった「偶然」と果敢で情欲な「想像」”
あらすじ
作家で大学教授の瀬川(渋川清彦)は、出席日数の足りないゼミ生・佐々木(甲斐翔真)の単位取得を認めず、佐々木の就職内定は取り消しに。逆恨みをした。
彼は、同級生の奈緒(森都月)に色仕掛けの共謀をもちかけ、瀬川にスキャンダルを起こさせようとする…
なんだろうな、笑ける。segawaをsagawaに間違えただけなのに….まあこれも運命か…
官能シーンはもちろんエロい、なんか映画に見えない、というかAVにも見えない。にしても、佐々木がクズだなー、自業自得の馬鹿野郎だ。
確かにホンサンスの映画の様な雰囲気を感じるが、僕はホンサンスの作品はあまり好きではないけど、濱口竜介の作品は激ハマりで好きなんだよな〜、やっぱ濱口竜介が作る巧みの会話が好きだ。村上春樹のような会話劇って感じがしちゃう。
#3 「もう一度」
“圧倒的な「偶然」と想像もし得ない「想像」”
“演技成る再会”
あらすじ
高校の同窓会に参加するため仙台へやってきた夏子(占部房子)は、仙台駅のエスカレーターであや(河井青葉)
とすれ違う。お互いを見返し、あわてて駆け寄る夏子とあや。20年ふりの再会に興奮を隠しきれず話し込むふたりの関係性に、やがて想像し得なかった変化が訪れる…
もうこれ、オカルトだよ!!!
この偶然は本当に運命の様だ。偶然が偶然を呼び、偶然がやってくる。だがその偶然は夏子からしたら、幸福なことなんだろうな。雑なズームはコント感があっていいじゃないか。
河井青葉やっぱ好きだわ~、「PASSION」や「永遠に君を愛す」とか、どれも淡々と素晴らしい演技だった。