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秘密の森の、その向こうのオイアのネタバレレビュー・内容・結末

秘密の森の、その向こう(2021年製作の映画)
4.8

このレビューはネタバレを含みます

老人ホームの片付けをした帰り道、運転する母親に、後ろの席からネリーがお菓子やジュースを食べさせて最後にギュッとするシーン。
まずこれがすでに良くて開始数分で観てよかったと思った。ネリーの手と母親の顔しか映ってないのも良い。母親もこわばってた表情がゆるんで、また泣けた。
このシーンのおかげで、冒頭にあるネリーのおばあさんたちに別れを告げる優しさや真面目さに納得できる。

起伏があるわけじゃないけれど、ただただじんわりと心に語りかけてくるような優しいシーンがいくつもある。

母親が出て行く前の晩、ネリーが母親におばあちゃんへの思いを伝えるシーン。
二度と来ない「時」を学び、その時間を大切にしようと父親を説得するシーン。

ネリーもマリオンも八歳とは思えないくらい達観してて、賢くて、でも遊びの時に見せる笑顔は無邪気でコントラストにグッと来た。

ファンタジーだけど、そこを際立たせるというよりは物語の一つの要素でしかなく、小マリオンが未来の家に普通に行けてよかった。物語上、「ない!あるはずなのに!」は必要ない。世界の構成すら優しいというか。

多分、自分に娘がいるから余計にこの話が沁みた気がする。ネリーのように優しい子に育って欲しい🥹
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