このレビューはネタバレを含みます
少しややこしいが、監督であるセリーヌ・シアマは「ジブリアニメや細田守監督に影響を受けた」と公言しているようで腑に落ちた。
約72分という短さだけあって余計なものはなく、カット割りも最低限。ゴージャスな小道具や衣装もなく、劇伴もほぼなし。登場人物も数えるほど。だからこそ、二人の子役のナチュラルな演技が光る。
引き算の美学が詰まった暖かくスロウなお話からして主題歌はやや過剰な気もしたが、しかし自らの娘に過去からエールが送られるという、およそ現実では体験できやしない感動を端的に表現するにおいて、これ以上はないのかもしれない。