このレビューはネタバレを含みます
【JAIHO】რას ვხედავთ როდესაც ცას ვუყურებთ
本作の配給は日本初の映画配信サイトを運営するJAIHO。2021年6月にサービスを開始している。Netflixなど海外のサービスは既に存在していたが、やはりコロナ禍での緊急事態宣言による劇場鑑賞の人数制限等、映画配給ビジネスへの変化に対応したもののようだ。映画作品の買い付けに30年以上携わる加畑圭造氏が立ち上げた。なるほど、インド映画の『バーバフリ』を当てて大儲けした人だ。なので社名のJAIHOも、ヒンディー語で万歳!や、勝利あれ!を意味する言葉を元にしているらしい。
日本初のこの独占配信が、Netflixをはじめとする他のストリーミングサイトと差別化を図っている点は、「国際性」と「多様性」、日本で知られていない世界中の傑作を独自の切り口で選りすぐり365日毎日1本配信、
「アルゴリズムでは見つけられない、あなたのための映画がここに!」
ということらしい( https://www.jaiho.jp/about/ )。
確かに、うちが単館系で観たマニアックな作品が過去のラインナップにチラホラあったりもする。本作も、そういう意味では、このJAIHOが持ってこなければ知り得なかった作品。貴重な出会いには感謝だ。
ジョージア(旧グルジア)の古都を舞台に、通勤途中で本を落としたことで出会った若い男女。名前も連絡先も訊かないまま、翌日白い橋のそばのカフェで会う約束をする。しかし朝2人は目覚めると、とある呪いで外見が変わってしまう。それでも約束したカフェに向かい、現れない相手を待ち続ける。待ち人も姿が変わっているとは知らずに…。
実に、その後の展開を期待させる良い作品紹介文。
映画のトーン、サイトデザインも、ティファニーブルーのようなターコイズな、いかにも女性ウケしそうなもの。
期待を込めて映画館に足を・・・・運ぶかどうかの判断はお任せします(笑)
原題は「空を見上げれば何が見える?」という意味らしい。サッカーボールが見えるかな? 2021年の作品なのにWC2022大会を予見していたかのような流れは、恐るべし!?
本作で、JAIHOのことを知れてよかった。それが収穫。
近所に出来た映画がテーマの喫茶店ANGELIKAさんで教えてもらった情報でした。
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(ネタバレ含まない)
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主題を表現するのに、こんな映画の文法もあるのか?!とメカラウロコな作品。いくつかのジョージア映画を観てきた我が家としても、『葡萄畑に帰ろう』、『皆さま、ごきげんよう』に比肩する超トリッキーで難解な作品だった。
いや、難解ではなく、理解不能に近い映像表現と言っていいのかもしれない。ジョージアの古都クタイシの風景、暮らしを眺める環境ビデオとして見れば、それなりに楽しい、美しい映像だった。
上記のお店ANGELIKAの入口脇の棚にオススメ作品として本作のフライヤも掲示されている(その棚は現在上映中、あるいはComing soonの作品が並ぶ)。
お店の2人も観たのか?と訊いたが、未見とのこと(この作品の反省会はANGELIKAでやった)。でも、その棚に置いてあるフライヤの作品は見る予定だというので、「是非!!」と言っておいた。
そして、鑑賞後、この映画の意図、表現、ジョージア映画の現状などをお店で語り合いたいと思う。