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白い牛のバラッドのsnatchのレビュー・感想・評価

白い牛のバラッド(2020年製作の映画)
4.0
🇮🇷国内上映禁止になった理由がわかってくる意志が此処彼処に立ち込めてくる作品…
タイトルの意味は、イスラム教の中にある、犯人を探すためには牛の犠牲を差し出せばわかるという教えからきていて、それは神もご存知であり隠し立てはできないという意味を指すそうです。
下記は内容に触れています。








結局最後、ミナはもっと過酷な状況になってしまった…これは神の思し召しなんかじゃない!
ミナは何一つ悪いことをしていない。
女手ひとつで子どもを育てていく。
死刑執行されてしまった夫の冤罪に対し裁判官に謝罪をしてと言った。
親切にしてくれた夫の友人だという男に感謝し、男が苦しんでいる時に親身に助けてあげた。
そして、愛を渡した。
でもイスラムの男社会では、全てがするなとされる事だった。

そして、最後の愛情と憎しみの狭間に出現する刃物のような演出が見もの。
その問題のラストシーン…🤯
…これはミナが想像した幻だと私は妄想…血ではなく白いミルクで成敗したのだと思う。白いミルクは冤罪だった夫の清き涙、白いミルクは私が支えた娘との生活の証し。謝らないのなら一生自分の罪を自分に閉じ込めて独りで生きていきなさいと。私は殺さない、死ぬのは許さないと。
そして、ミナは一度でも罪ある男を愛してしまった自分を再び孤独に落とした。

今まで観てきた中東の映画の中で1番悲しみに暮れ1番強い女性に感じた🧕そして、なんて美しいんだ…
そして、この方が脚本と監督も兼任している‼︎ これから映画製作を続けられるのだろうか…😢

愛娘は耳が聞こえず学校で勉強も友達とも上手くいかないのは気がかり…でもニッコリもした😊この映画でもやっぱ出ました!イラン人は子どもも大人も映画大好きなのだ❣️

ストーリー展開は実は予想できていくのですが😶じっくりと据えたカメラ映像が、どうなるの次は…とじわじわ進行していく。
やっぱ好きだわ‼︎ぶ厚いイラン映画が‼︎🤩
日本の映画館で観られたことに感謝です🇮🇷
あと、現代の中東映画って裁判関連が多いような気がすると思ったら、イランは中国に次ぐ死刑執行の多い国だそうです…
ミナと同じ経験をした女性もいるのが真実なのだろう…
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