【迷うこと】
この映画、ちょっと序盤は乗りづらいけど、なんか面白い。
だんだん惹き込まれる感じだ。
第一次世界大戦後、更に、大恐慌が追い打ちをかけ、世界が再び不安定化した第二次世界大戦前夜とも呼べるような時代だ。
それでも、若者は自分の人生に迷い、希望を見出すものもいれば、絶望するものもいる。
命を断ってしまうものがいる一方、多くの若者は迷いながらも何とか生きていこうとするのだ。
最後の場面。
この為に、この長い作品があったのだと思わせられる。
(以下ネタバレ)
子供を救おうとして、泳げないことを顧みず川に飛び込むファビアン。
人とは本来はこうしたものではないのか。
人間としてのささやかな希望が胸を締め付ける。
若者も人も、不穏な時代でも、平穏な時代でも、いつの時代でも迷うのだ。
迷うことを止めたいと思いながら、迷い、そして、本来の進むべき道を見出せるのかもしれない。