イチロヲ

リーファー・マッドネス 麻薬中毒者の狂気のイチロヲのレビュー・感想・評価

3.0
麻薬ディーラーを営んでいる男女が、前途有望な学生たちをマリファナ中毒へと誘い込んでいく。「子どもたちに伝えよう」をスローガンに掲げている教会により製作された、「反麻薬」のプロパガンダ映画。

端的に言うと、異世代間におけるマリファナ流通の危険性を提起している作品。「マリファナ摂取=人生の破綻」をストレートに描くことにより、大衆を啓蒙しようとする狙いが垣間見られる。

宙を眺めた状態で表情筋が上がってしまう感覚、声を出して笑わずにはいられない感覚など、「最高にハイな状態」が見事に表現されている。また、ハイになっている人間の振る舞いが「ベティ・ブープ」のアニメ表現と相通じるところも興味深い。

後年に製作された人工着色版が、皮肉なことにダウナー状態での鑑賞に最適な仕上がりになっている。原色に設定されているマリファナのスモーク描写がアシッド感満点であり、本作においても「教養映画と見世物映画の表裏性」を感受することができる。
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