うに

明け方の若者たちのうにのネタバレレビュー・内容・結末

明け方の若者たち(2021年製作の映画)
4.0

このレビューはネタバレを含みます

元々原作が好きで何回も読んでいたので、その分知っているセリフも言葉も沢山あった。
小説を見ながら映画を見ると、まさに台本かのように思える場面も多く感動した。
想像していた情景も人物達の表情も奥に秘めた感情も、1つの答え合わせができた気がして面白かった。

映画が1時間12分経った辺りで、尚人から「いくら好きでも、相手が既婚者だったらハッピーエンドは望めねぇよ」と始まり知らされる全ての事実。
しかし僕は彼女と出会ったその日からその事実を知っていた。
「なんで俺だったの?」と聞いた僕に「横顔が夫に似ていた」という答えを口にした彼女。
いつも左手の薬指に輝いていた指輪。
ずっと一番になれなかった僕。

「嘘でもいいから言って欲しいんけどさ、少しは好きでいてくれた?」
「ごめんね。ちゃんと、すごく好きだったよ」
この会話で2人の3年半は呆気なく終わりを迎える。

本当に好きな人なら1番じゃなくてもいいと思ってしまうのも、叶わないと知っていても追いかけてしまうのも、合っていたのではなく合わせてくれていたと知ってしまう瞬間も、全てに共感した
ずっと、リアルな青春の一欠片を追っていた映画だった。
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