ニャンおっ太

ボーはおそれているのニャンおっ太のレビュー・感想・評価

ボーはおそれている(2023年製作の映画)
3.5
「族長の秋」なデカ金玉の「ママ・グランデの葬儀」だからガブリエル・ガルシア=マルケスなマジックリアリズムかと思いきやドラッグ変容の幻視で現実/非現実を跨ぎ自分を俯瞰するのはPKディック「暗闇のスキャナー」で、陰謀論にコングリマリットとサブカルチャーの差はあれど定めの導きは「アンダー・ザ・シルバーレイク」なんだけど、結局は全て「ドグラ・マグラ」な胎児の涅槃の夢のようで。エゴを抑えられず作品に自身を重ねているのはアレハンドロ・イニャリトゥ「バルド」に同じく。けれど一番強く連想したのは、検索したらいけない映画で有名な大祖国戦争戦勝40周年に製作されたソ連作品「炎628」です。共通点は母親の死からの精神逼迫、出逢う不思議な森の友人たち、無邪気から残酷に至るボーイ・ミーツ・ガール、悪夢で無垢な少年が激老する点です......誰も語らないとおもうけど。