ニャンおっ太

オオカミの家のニャンおっ太のレビュー・感想・評価

オオカミの家(2018年製作の映画)
3.5
コロニア・ディグニダ(元ナチス党員が指導者のチリのドイツ人宗教植民地)の施設を逃げ出した虐待児童のイマジナリーを描いたストップモーション・アニメ。平面と立体が交差しカラーリングとフェーディングを入れ替えながらスクラップ&ビルドを繰り返し進む恐怖の人形劇。やがてオオカミ目線のマジックリアリズムが自身の悪夢に変わるメタフィクションな狂気は、読破した者は必ず一度は精神に異常を来たすと称された夢野久作「ドグラ・マグラ」と同じく確実に心を蝕み魘されるでしょう。