ニャンおっ太

殺されたミンジュのニャンおっ太のレビュー・感想・評価

殺されたミンジュ(2014年製作の映画)
3.5
混沌たる社会のエントロピーから整合の温度を創り出すマクスウェルデーモンは善と悪の二つの面を被っていて、「ザ・バッドマン」(2022)と「ジョーカー」(2019)のような表裏一体の顔をしている。そんな闇騎士で反英雄の姿をマ・ドンソクが熱演。けれどキム・ギドク監督故に物語も娯楽も破綻し理由すら分からず面白味に欠けた問題作。なのに韓国恨文化を煮詰めに煮詰めた義毒を喰らい、鋭い言葉に目を潰され、暴力の画に鼓膜を裂かれ、血反吐のような涙が止まらなかった。