アリ・アスター新作。世間の評判が割れているようだが、アリ・アスター監督が常に作品に持つ軸がぶれることなく、表現が拡散された形で非常に楽しく鑑賞した！盛大に笑った。監督の脳みその中を覗くような作品。
今までの作品でも描かれてきた歪んだ家族の関係性だったり、ありえないけどありえないとは言いきれない恐怖と妄想とか、現実と非現実の境目で揺らされる感覚とか、変態的な描写が次から次へと展開されていく。アリ・アスターの福袋的な。
ホラーのようで、スリラーのようで、ブラックジョーク満載のお伽話だった。
監督の明らかな軸は、初期短編の「The Strange Thing About the Jhonsons」から明確に描かれている。なので本作を見た時に感じる”不快”(いい意味で)については、その短編のことを思い出した。
3時間濃密。
以下、ネタバレ。
ラストは、アリ・アスター版の「トゥルーマンショー」かと思った。
憧れの思い出の彼女とのセックスも仕組まれたのかなんなのか、人形だったの？と。
ペンキ飲み干したり、性器が巨大化した怪物とかは、もはやほんとにコメディでしかなかった。
