軽率

ボーはおそれているの軽率のネタバレレビュー・内容・結末

ボーはおそれている(2023年製作の映画)
3.2

このレビューはネタバレを含みます

『ミッドサマー』は予想外のことが何一つ起こらなかったのだけれど、こちらは予想外の画しか出てこない独特さ。どこなの?何なの?いつなの?ずっと悪夢みたいな話。ずっと悪夢なのであればそれはきっと胎児の見る悪夢だ。何かにつけて彼につきまとう"水"も、最後に入っていく洞窟も、胎内なのだろう。「胎児よ 胎児よ 何故躍る 母親の心がわかっておそろしいのか」は『ドグラ・マグラ』だけれど、母親の心がわかっておそろしかったら、生まれる前に死ぬほかないのだろうなぁ…という話だと私は思った。別にそれが中年男性である必要はないので、全然解釈違いってことならそれでいい。っていうか、本当に、意味が、わかってない!まぁ、他にも胎児の夢だと思った理由があって、圧倒的に母と息子の物語だということ。あの屋根裏のあれとか、最悪な言い方だけど、生まれるまでは父親の存在ってソレでしかないし…とかね。
で、それはいいんだけど、3時間もそれをやる必要あったのかなー。乱暴な言い方をすれば、あの初恋?のくだりだけあれば、他はなくても良いかなー個人的には。3時間あの世界に浸れるほど読み取れていないし、読み取ろうという気にもならない。今のところ、理解できてなさ的に『ヘラディタリー/継承』と『ミッドサマー』の中間な感触。アリ・アスター、やっぱりあまりピンとこない。
初恋?の部分、ちょっと『ロリータ』っぽさがあるよね。そういえば『ロリータ』もロードムービー的な話だし。"ぽさ"というのはロリータ周りじゃなくて、ハンバート・ハンバート氏周りで。初恋あたり特に。で、そこからの単なる思いつきなんだけど、『ロリータ』に言葉遊びがたくさんあるようにこれも(私はきちんと拾えてないけど)そうなんだろうなーと思う。ボーはBeautyのBeauなのかなぁとか、Beauが生まれるのが始まりでBoatが残るので終わるのとか。
軽率

軽率