Saori

ボーはおそれているのSaoriのレビュー・感想・評価

ボーはおそれている(2023年製作の映画)
3.5
次々と襲う悲劇、現実だったら死んでいると思うような事件の連続。主体性に欠け、流されるように彷徨う姿は40歳男性の精神世界を描いたものだと感じました。

家賃を節約したために過酷な環境での一人暮らし、自身のメンタルヘルスのためにカウンセリングを受けること、幼少期の優しいメイドや旅先でのエキセントリックな出会い…彼自身未来への展望は持っているのだけれど、自己効力感が低く様々な不安に苛まれていく。母の誕生日のために帰省するタイミングでの不安をよく表している。

あのラストから察するに、長いゆめから醒めて、自分に絶望した気持ちで実家へ向かうのだろう…と想像する。

無償の愛というものは、ないのかもしれない。子の成長や巣立ちがどれほど寂しいのかも実感している。それ以上に子の幸せを大切にできるようになりたい。(具体的には、子に帰省を強制することのないようにしよう…)
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