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ボーはおそれているのおはうちのレビュー・感想・評価

ボーはおそれている(2023年製作の映画)
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私的ピークが1回目の失神までのシークエンスで、漫☆画太郎な全裸中年の大仰な大悲劇には爆笑(劇場では笑える雰囲気じゃないから押し殺す)。アパート周りの異常に治安の悪い空間、住民の猥雑さ無秩序さが面白すぎた。だがコメディが鳴りを潜めてしまう中盤以降から落第。

PCモニターに異物が刺さったまま、水なしで服用した薬の副作用を検索して極端な見出しを見たもんだから、水を買いに飛び出していくと速攻変な奴に絡まれながらコンビニに直行するアクションとか良かったよ!

序盤は気持ちのいい横移動とかあったし悪くなかったよ。病院から帰るときの横移動で、けたたましく騒ぐ母親とか、背後のアサルトライフルを持つ子供とか、情報の詰め方が楽しい。アパート内のこの世の終わりかと思わされる落書きとか面白いディテール多い。後半は希薄。

炊き出しが熱すぎてカップを引っくり返す全身刺青男に向かって全力疾走しながら帰宅する主人公とかオモロい。

森の演劇パートの挿話が心底つまらないんだよな。アニメーションの品質が悪いとかじゃなくて、映画の尺的にここで時間をかけるような内容じゃないよ。尺を気にしないでダラダラ淡々と初めから挿話を語り始める神経がダメダメじゃね。

麗しの彼女とのアバンチュール辺りの時間の取り方や、人物の撮り方、会話の保たせ方、まるでトキメかない。何もかもが超絶つまらんし長すぎてダメ駄目でホント駄目だよ。監督の興味が無い描写ならスパッと切れ!でも、次やるネタバラしの前振りだから丁寧にやるわけな。

ネタバラしタイムになると、それだけで面白いと勘違いしちゃって演出が緩み切っちゃうんだよな。

屋根裏のアレとか2時間くらいの普通の映画でも大変驚けると思うけど、3時間の長尺の後半かったるくてダルいし長いと思って完全に糞舐め腐ってる時にアレが放り込まれると、その瞬間にしか得られないビックリ&笑えるニュアンスは確かにあった!しっかし誰も見習うなよ!
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