今作も怖さと笑いが紙一重のアリ・アスターらしい作品だった。
序盤から不思議で可笑しさがある世界観に没入し、3時間あっという間だった。
とにかく日常に潜む“あるある“な不安を立て続けに描いているので楽しい！そこに演出や撮影・編集の妙でファンタジーさも感じさせるので変な夢を見ているかのようだった。
あとホアキンが少し太っていて、常にあわあわしてるので可愛らしかった。
ストーリーは主人公が気を失うと次の展開に行くわかりやすい構造ではあるが、支離滅裂な部分もあるため少し困惑する。（ユダヤ教のヨブ記が元ネタらしい）
しかし全てに親近感を感じるし、シーンごとにテイストも変えているので楽しい！
バカバカしさもあって最高！！
宗教的な側面もあるが、これは単純に監督の恐れを描いていると感じた。
家族や日常の生活の恐れを描くことで周りの目の怖さを誘発してくる。
自分の生き方はこれで良かったのか？、間違いなのか？と思わされた。もし誰も理解してくれなかったらと、人生における“最大の不安“を感じたし、これが宗教的な部分と相まって、映画監督やクリエイターとしての不安も感じた。
序盤は楽しいがラストにかけてとても怖くて虚しい気持ちになった。
とは言ってもラストまで面白可笑しい感じは続くので最後の最後、エンドクレジットまで楽しめたし、個人的には監督作の中で1番好きな映画になった！
