さいころ

ボーはおそれているのさいころのレビュー・感想・評価

ボーはおそれている(2023年製作の映画)
3.0
隣の席に座ってる人がスマートウォッチを何度も光らせて時間を確認していた。いつもなら「止めてくれ」って気持ちになるけど、今回は「仕方ないな」という気分になった。長いよ……。

主人公が「信頼できない語り手」であり、映画内の出来事にどれだけ信ぴょう性があるのかわからない。ただ、あの世界は「ボーがみている恐怖そのもの」なのだろう(特に舞台のシーンで、ストーリーが完璧に食い違ってるのとかみると、「そういう認識で生きてるんだろうな」って感じがする)。母親もすごい経営者だろうけど、「あれほど強大な権力者」であるのは、ボーゆえの虚構かもしれない。

父なしで生んだ聖母マリアの小物を抱え、やっぱり父親いるじゃねぇーか!?という段階で、小物と親の呪縛から離れられればよかったが、毒親は強かったね。脳内裁判の弁護士が「論破」ではなく、「落下」されてしまうのだから。トゥルーマン・ショーみたいに抜け出せればよかったね。

ただ母親の過保護っぷりは、出産で赤ん坊を落とした段階で始まってるだろうから、この呪縛から逃れるのは難しそう。毒親は過保護であることと、子どもを試すことが組み合わさっているため、なお性質が悪い。
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