このレビューはネタバレを含みます
2024-189
ボーはセラピストのもとに通い薬を飲んでいる。ある日、母に会いに実家へ行く約束をしていた彼は、慌てて用意する中でスーツケースと鍵を何者かに盗まれる。行けなくなったと母に連絡した後、母が死亡したと知らされる。ボーは母の葬儀へ行こうとするが、奇妙な旅路で遠回りを強いられることになる。
ずっと「おそれている」ボーの長い長い奇妙な旅。ボーがずっと混乱状態なので、現実と非現実の境界が曖昧になっている。現実世界が舞台だが、ずっと地に足がついていないような現実味のない展開の連続で、夢か現実か分からないような世界。常に予想外の展開になるため全く予想できない珍しい作品。「え?どういうこと?」の連続。
ずっとオドオドしていて不安げで、常に何かを「おそれている」ホアキン・フェニックスの演技が素晴らしい。
ロジャーが登場した瞬間、見たことないくらいキレイなハの字眉に笑っちゃった(笑)
裸のオッサンが滅多刺しにしてくるところと「刺すぞ!」と威嚇してくる時の姿が面白い(笑)
ボーが家系でオーガズムに達したら死ぬってのは嘘で、実際はエレインの方がそうだった模様。
モナのMW社のポスターに「対照研究により、ADHD治療への効果が明らかに」と書かれたポスターが貼ってあることが、ボーがADHDであることを示唆しているらしい。ボーがいつも「おそれている」のは、ADHDには注意欠陥や多動に加え、不安障害などもあることから。
ボーが双子なら、片割れは本当にずっと屋根裏にいたのか?父は今どうしてるのか?男根の怪物は幻覚としても、そもそもその場に父が本当にいたのか?などの疑問が残る。
ラストシーンでジム・キャリーのトゥルーマン・ショーを思い出した。
しかし長いな(笑)