dalichoko

こんにちは、私のお母さんのdalichokoのレビュー・感想・評価

こんにちは、私のお母さん(2021年製作の映画)
4.6
1981年の自分を重ねると、この映画が日本でいう1960年代のような貧しさと活気が蘇る。日本と中国に20年という差があるとして、こういう映画を生み出せる中国の底力に圧倒される。

ベタなギャグの連続で、映画の8割以上はコメディだ。しかしやはり時代性が映像に映し出されることでどこか郷愁を誘う。工場の労働者と人民服。工場長の息子のキャラがギャグの柱となるが、彼の存在は当時の格差をにじませる。しかし彼は最後に親の七光りを避けて深センに向かう。この後中国の深センが世界に名だたるデジタル都市となることを予感させるラスト。

母と娘の関係を軸に、40年前の中国をデフォルメして描き、貧しさの中にも未来を感じさせる社会が輝かしく映し出されていて感動する。

劇場が笑いで包まれて揺れるように盛り上がっていた。
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