石井裕也監督作品、結構好き嫌い別れるんですが…今作は最高でした!
(色んな引き出しのある監督だなと思います)
「田中良子は芝居が得意だ」
この一文から始まるってのが最高ですね!
ここから始まる母子のストーリー、どこまでが芝居でどこまでが本音なのか曖昧にすることで主人公、田中良子の心情へ俄然、興味が沸く。
その上で尾野真千子さんの演じる主人公の求心力がスゴイ!
フワフワと生きてそうで内包している「芯」の強さ、太さ、濃さ!
確かに尾野さんの新たな代表作!
コロナ禍と同じように明確な怒りの矛先を向け難い、複雑かつ最悪な数々の苦難。
その全てを「まあ、頑張りましょう!」の一言で乗り切ろうとする柔軟かつ剛結な性格!これぞ「母」の強さ!
捉えようによっては本当に「悲劇」な物語を「悪い冗談みたいな世界」と描写したキャッチも秀逸!
(ほんの少し、逃げ道を用意した優しいキャッチフレーズ)
そして何より素晴らしかったのはBGM!
目を塞ぎたくなる様な世界の中で流れる音楽は終始とても美しい!
辛く悲しい世界を見事にエンタテインしてバランスをとっている
(ほんで最後にGOING UNDER GROUNDを流すとか…最高!)
ハイライトの夕日の二人乗りのシーンは本当に美しい!
公式サイトのレビューも含め、カメオ出演された多くの俳優/著名人が太鼓判を推すのも納得のトップのトップ!
息子役の和田庵さんもメチャ良い!