コロナ禍でのこの世の不幸を集めるだけ集めてヒロインたちに背負わせる、暗澹たる気持ちになる作品でした。はっきり云って作り手のこうゆう姿勢ってあんまり好きにはなれません。
と云うのはこの監督さんの【夜空はいつでも最高密度の青色だ】もそうだったが、散々不幸を描いておいて結末の色の付け方に曖昧な優しさを見せる点なんですよ。
【ジョーカー】みたいに思いっきり一方に振り切ればいいものを、"それでもやっぱり頑張ろうよ"みたいなちょっと良い話っぽく終わらせるのが中途半端で気に入らない。
事故の加害者、息子をイジメてる上級生グループ、担任教師、中学時代の同級生、とヒロインを不幸に追い込む周りのキャラは極端にクズばかりでしょ?
最初からそうゆう暗い展開を生み出す為だけに作られた安直なキャラ連中とゆうか、そうゆう連中をまた中途半端にほっぽり出したまま、結局ヒロインたちは内輪で慰め合うだけでね。
いや、てっきり息子がイジメっ子らに復讐して事件起こすのかと思って観てたら、なんにもないでしょ?ただウジウジしてるだけでね。
暗いなら暗い話でもいいんですよ、それをハッキリしてほしいんですよね。それをなにやらハートウォーミングな音楽をやたらBGMで流してね、どっちつかずでしょ。
このコロナ禍にわざわざ劇場に足を運ぶ客が何を求めているか、もう少し考えて欲しいですよね。