れーちゃん

茜色に焼かれるのれーちゃんのレビュー・感想・評価

茜色に焼かれる(2021年製作の映画)
2.5
Netflixの新着にあったので監督含む、前情報など全くなしで鑑賞。
13歳の少年に小難しいセリフを言わせるわ、メッセージ性がイマイチで何が言いたいんだ。。?と思ってみていたが、とあるシーン迎えたときに一体誰が?と調べたところ、「生きちゃった」と同じ石井裕也監督作品で納得した。

生きることの大変さや苦しさ、人間らしさ、を金、人、欲の3つの観点で描こうとしている。
何をするにもお金がかかるといわんばかりに主人公の出費や収入を表示したり、人のクセみたいなものを一人一人はっきりと表現したり。欲に関しても様々な欲がある様子を表しているのだと思った。そしてその3つは常に絡んでいるのだと。

ただ、一つ一つのメッセージ性があまり紐づいていなく金額が表示される場面に対しても、結局月にどれくらいの収入と出費があるのかわからず、なんだったのだろうか、な演出。

あまりに誰も救われなくて、最後の最後までもがいて終了な感じがどうも納得できなかった。
これは2.0以下になりそうだな。。と思っていたところ、個人的起死回生的なシーンがやってきた。全てを失いどん底に陥った良子が、虫や花など生き物を殺すことなんてもってのほかだったのに、とある人物を殺しに向かうのだろうと連想させる場面だ。

良子が恨みつらみを抱えているであろう人物など腐るほど登場する中で、いったい誰を殺したいのだろう?と思ったところ現れたアイツと、そこからの場面が個人的に笑えた。

石井裕也監督ならではの「これがやりたかったんだ」感否めないシーンではあったが、滑稽でなぜだか爆笑してしまった。

そのシーンを除くとただただ生活苦の人々をだらだら長く演出しているだけの作品。
あのシーンの勢いのまま、もっとぶっ飛んだ方向に持っていってほしかった。
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