田山信行

少林寺 十八の羅漢の田山信行のレビュー・感想・評価

少林寺 十八の羅漢(2019年製作の映画)
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『新・少林寺伝説』や『D &D 完全黙秘』にて幼いながらジェット・リーも顔負けのすげぇアクションを披露していた子役のシェー・ミャオ君。なんかの折に成長した姿は見たことあったのだが近年ちゃんと主演デビューしていたとは。あんまり最近の中国香港映画を追っていなかったので知らなかった。

しかし単独主演という訳でもなく海賊退治に向かう十八人の僧兵のリーダーという役どころなのであんまり彼の身体能力を堪能できぬのだが。かといって集団アクションとして見応えがある訳でもない。十八人も引き連れてほぼモブ扱いで個性も何もないし。

かつての中国映画よりは確かにきっちり作られたセットや美術やら映像のスケール感と映像技術自体は向上して洗練されてはいるんだがしかしそれで決して映画が面白くなる訳でもないという。かつてはくすんだ色合いのフィルムで泥臭い感じだったがそれが良かったんだよな。洗練はされてなくともアジア映画特有の熱量があった。この映画にはそれがない。薄っぺらい。

敵が怪しげなカタコトの日本語を話す侍やら忍者なんてのはなんか昔と変わらないなぁと思うんだがそこで笑えるのは本来の趣旨ではないし。何喋ってるのか分からないからしっかり全編字幕でフォローされてて逆に面白かったが。

他の主演作もおそらく似たような感じっぽいしもっとしっかりとしたシェー・ミャオ君のアクションが堪能出来る作品が観たいなあ。
田山信行

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