Kazushi

彼女が好きなものはのKazushiのレビュー・感想・評価

彼女が好きなものは(2021年製作の映画)
3.9
いつか普通に
いつか何者かになれるのではないか
という正常性の怪物と向き合う。
摩擦も空気抵抗もない世界で
息をして生きていたいけれど、
この世に摩擦がなければ
僕らは一歩も進めない。

摩擦も軋轢も抱えたまま向き合う。
分かり合えないことを受け入れる。
あなたを知らないから分からないから
容易く決めつけず”想像したい”。
そんなしなやかさを学ぶ映画でした。

多様性のある時代だから
いいんじゃないという人にこそ
届く作品。

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もしこの世に摩擦がなければ、
僕らは一歩も進めない。

摩擦や空気抵抗。
それがなれば人は自由に足枷なく
飛び立てるのだろうか。
愛することに夢中になれるだろうか。


理解の範疇を越えると、
他人事のように遠ざけ
わかったフリをして
何かに当てはめようとする。
世界一般はどうだかではなく、
好きなものは好きなのだ。
好きに理由はなくていい。
この感情やときめきに説明はいらない。

擦れて紛れてぶつかって。
人と人は会話ではなく、対話で成り立つ。
信じるものはここにある。
“彼女が好きなものは”
Kazushi

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