ゴン吉

とんがり頭のごん太~2つの名前を生きた福島被災犬の物語~のゴン吉のレビュー・感想・評価

3.9
東日本大震災で被災した家族に飼われていたワンコを描いたアニメ作品。 

2011年3月11日、東日本大震災が起き、浪江町で食堂を営む富田家も被災する。その後、福島原発が爆発し、放射能汚染のため富田家は愛犬ごん太を自宅に残して避難する。東京に住む女子大生が、被災地に放置されたワンコを救うペットレスキューボランティアとして仲間とともに現地にやって来る。そこで野良犬化したごん太を見つけ、ピースと名付けて保護するが…

東日本大震災は地震・津波による直接被害と原発の爆発による放射能被爆・汚染の二次被害がある。
毎年3月11日にはテレビ等で直接被害は取り上げられるが、放射能被害に関する報道は見当たらない。
被災当時の現地の子供たちには甲状腺腫瘍が多発したが、その後どうなったのだろうか。半減期が長い放射性物質は一度体内に取り込まれると一生体内の甲状腺などにとどまり、特に高齢となった時にがんを発症する恐れがある。
本作ではワンコのごん太が悪性リンパ腫で亡くなるが、放射能被爆とは無関係に描かれている。
風評被害を配慮してのことだとは思うが、原発事故の恐怖を風化させないためにも被爆と関連付けたストーリーにしてもらいたかった。
被爆した福島の児童たちの将来が危惧される。 

2024.3 BS日テレで鑑賞
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