このレビューはネタバレを含みます
鬼太郎は子供のときニチアサ？のアニメを見ていた。
あと親がBlu-rayBOXや漫画を持ってたから昔のアニメ等も見ていた記憶。ノスタルジックな気持ちになった。
鬼太郎原作の1話に見事に繋がるエピソード。
後出しにしてもすべてがうまく噛み合っていてすごい。
作中で完結する伏線も見事に回収していて、鬼太郎シリーズとしても1本の物語としても完成度が高い。
横溝作品や京極作品みたいな因習村を期待していたら大正解。華麗なる一族の後継争いや謎の連続殺人事件、座敷牢と満足。
戦後日本の鬱屈とした空気も見事に描いている。
この湿った世界観を味わえただけで満足。
因襲村のダークさも徹底している。
この題材で近親相●は予想していたけど思ったよりも胸糞。沙代の古風な可憐さがあればあるほど際立つ残酷さ。
龍賀一族の黒さに手加減が無いし救いも無い。でも時ちゃんに少しだけ救いがあったのがよかった、この子にはまったく悪さは無いもんな。
乙米と長田（糸目）の関係性、目玉おやじの奥さんを救おうとした孝三など、語られないエピソードの奥行きを感じられるキャラクターが多くいたのも良かった。
特に前者は愛人関係だと勝手に思っていたら、トークショーによると谷崎作品のような主従だったらしくそこを深めたエピソードも大変見たかった。
クローズドサークルミステリーの要素を兼ね揃えつつも、沙代及び憑いた妖怪が犯人というのも鬼太郎シリーズを踏襲していて良かった。
キャラデザとか今の時代に合わせてアップデートしたとこもあれば、昔の鬼太郎シリーズのおどろおどろしい、人の業もきちんと描いてて満足。
男のバディものとしてもアツい。
呉越同舟で手を組んだ水木と目玉おやじが絆を深めていき、原作1話に繋がる世代エピソードは見事。
といっても原作1話の水木と鬼太郎は結構複雑というか、心温まる擬似家族関係ではなくダークさもかなりあるけど、本作の世界線は6期鬼太郎シリーズ、大切に育てられた世界線らしい。
この映画がかなり救われない物語なので、そこは優しい世界で安心した。
あとアクションもかっこいい。
目玉おやじの人外バトルも作画もかっこよいし、背広の水木が血まみれになりながら火縄銃（ちがうかも）を打つのはロマン。
最初と最後に鬼太郎とねこ娘が出たのもよかったね。やっぱ鬼太郎シリーズだ。
