内場悠月

⻤太郎誕生 ゲゲゲの謎の内場悠月のネタバレレビュー・内容・結末

⻤太郎誕生 ゲゲゲの謎(2023年製作の映画)
4.5

このレビューはネタバレを含みます

かなり面白かった!!!
閉鎖的な村での重い話ではあったが、ゲゲ郎(目玉おやじ)がかっこよかった。

序盤の、どこか不気味な村に入っていく主人公(水木)のシーンから、不思議と引き込まれた。
電車のシーンでの謎の男(ゲゲ郎)との出会いがあったため、これからこの村で何かとんでもないことに巻き込まれる というのが予感できたから?

ゲゲ郎は、最初は得体の知れない感じで惹きつけられたが、としやくんに優しく語りかける様や、水木を助けてくれたシーンなど、徐々に良いやつだとわかっていって めっちゃ好きになった。
最初から良いやつだとわかってるやつより、最初は"不気味"、"恐い"など、その逆のイメージを持っていた奴が「実は良いやつ」とわかった方が、最初のイメージからの振り幅がある分さらに好きになるのかも。

さよさんの話はかなり重かった。
まだ年端もいかない少女のさやさんを犯していた前当主のおじいさんや、当主になった途端また犯そうとしたおじさん、家の発展のために子を孕ませようとする家の連中など、家全体が腐っていた。
それどころか、村で幽霊族を狩っては薬「M」の材料にするなど、村全体がヤバくておぞましかった。

村の人が次々と殺されていくのがさよさんの仕業だったのは驚いた。

そんな悍ましい村だからこそ、ゲゲ郎の純粋に妻を思う姿がめちゃくちゃ尊く感じた。
ゴミ捨て場で美人がより綺麗に見えるのと同じ現象?

水木が前当主に「会社を2つ3つやろう。大金を手にして良い家に住み、良い女を手にできる」と持ちかけられた水木が一瞬止まったが、「あんたつまんねえよ!」と攻撃したのは熱かった。
あれほど出世、成り上がりにこだわっていた男が、正しいと思うことのために力を振るう選択をしたその"変化"が熱かった。

最後に先祖たちが狂骨を取り込んで、あの鬼太郎お馴染みの羽織になったのは「おお…」と思った。
観客は、"よく知っているもの"が出てきたらテンション上がる。
内場悠月

内場悠月