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⻤太郎誕生 ゲゲゲの謎のmatchypotterのレビュー・感想・評価

⻤太郎誕生 ゲゲゲの謎(2023年製作の映画)
4.0
2024年、映画館1本目はコレ。

去年、面白いと聞いていてなんで今さらゲゲゲの鬼太郎が面白いのか、と気になってて行きたかった作品。
年始までやってて、頭は『エクスペンダブルス』のつもりだったけど、時間が合ったからコレだ!となり、満を持して。

PG12と知り、それなりにエグいのかと思って。
でもそもそも鬼太郎の目から飛び出してきたのが目玉のオヤジだからエグいのはむしろ当たり前というか、エグくないとダメかぐらいに思ってたのでそこは問題なし。

“鬼太郎、誕生の物語”。
母の実家の近く、鳥取県に水木しげるの記念館があって数年前も“鬼太郎ロード”とかにも行った。

個人的な水木しげるの妖怪シリーズの推しは“ぬらりひょん”。
ホントこいつは血も涙もなくて、すぐに悪巧みするずる賢いやつで、世の中の「マジムカつくな、なんなの」みたいなことを全てやりかねない最低の妖怪だが、それ故に他の妖怪の親玉というか裏のフィクサーみたいな圧倒的な存在。

今回はそのぬらりひょんも、いつメンの砂かけ婆、子泣き爺、ぬりかべ、いったん木綿も出てこない、、、エピソードゼロ、鬼太郎が誕生するまでの話だから。

噂に違わず、重厚で、サスペンス色もあり、水木しげるらしい人と妖怪が曖昧な境界を描くというか、「妖怪よりも人の方がよっぽど人ならざる妖怪っぽい」というお伽話が伝えてくる人の弱さ、怖さ、残虐さ、無情さがあった。

話も人里離れた山奥にある村で起きる話。
なんか『八つ墓村』と『犬神家の一族』と『ガンニバル』の匂いがする。
とても良くできた閉鎖的な集落ならではの跡目争いと法治国家の枠を超えた所業が影を潜めるストーリー。

戦後間もない時代、その村には有力な名家がいてその名家は表向きは東京で血液銀行のバックスポンサー的な医薬開発をしたとされるが、“謎の秘薬”で財を成しているという都市伝説みたいな噂があり、それを突き止めるためにその血液銀行から出向いた男、“みずき”。

みずき以外に名家の跡目争いで死人が出始めた矢先にとっ捕まえられた部外者、こんな辺境の地まで妻を探しに来たという名の無い男、“ゲゲろう”。

“みずき”は“謎の秘薬”を探るため、“ゲゲろう”は“妻を探す”ため、この名家の跡目争いを背景に起きる不可解な数々の事件に首を突っ込んでいく。

“幽霊族”、なんか聞いたことがあったけど、鬼太郎ってそうだったけな、と、うっすら思い出しながら。

この“ゲゲろう”が明らかに鬼太郎に似ているので、彼を中心に鬼太郎に繋がる話になっていくかと思いきや、“みずき”が話を引っ張る展開も良かった。

彼がこの村落でまさかのラブロマンスみたいな話にもなっていくが、この不自然さの布石が後でしっかり回収されてく展開で、最終的にはそれだけに終わらない感じになっていく。

とっ捕まったゲゲろうの処分を仲裁したことで彼のお目付役になるみずき。
ダブル部外者が閉鎖的で排他的な村落の村の騒動に首を突っ込む。

1人は都会の普通の人間サラリーマン。
1人はワケありの変な力を使う幽霊族。

この2人が手を組むバディ感、クライマックスもしっかりエモい。

昔よく観てた鬼太郎の記憶が蘇ってくる技やガジェットの数々も世代的にはとてもノスタルジックに楽しめた。思ってたより楽しめて良かった。

個人的には昔のねこ娘の方が好きだったけど、このちょっと美少女化したねこ娘も悪くはない。

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TSUTAYA DISCAS運営の映画コミュニティサイト「Discover us」にて同アカウント名でコラムニストをさせて頂くことになりました。
https://community.discas.net/announcements/ib1wyncr43idknqm
別視点で色々映画について書いていこうと思います!ご興味ある方は是非お待ちしております!
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