このレビューはネタバレを含みます
水木しげる生誕100周年にふさわしい、現代と水木しげるの時代を繋げる作品。
・ベースは六期だがテレビシリーズを見ていなくてもついていける内容。
でも社会における問題と妖怪が結びついているところは六期ぽい。
墓場鬼太郎的な要素で話を繋げている節もある。
・主人公の名前は水木、南方での玉砕の指示を受け生き残る。
総員玉砕せよ!に語られる生き残った経緯に似ている点に重なる部分がある。
・個人的な考察、水木が戦中戦後の水木しげる・ゲゲ郎が戦後の水木しげるのような立ち位置かなと。
最後に目玉の親父として生きながらえ鬼太郎を育て(未来への希望?)これまでの経緯をレポーターに語る。
これが水木しげるその人の役割なのかなと感じた。
誰かの犠牲の上に強さを手に入れる「M」や
昭和のムラ社会が有する暗い因習、
年長者を過度に敬う風潮、
現代社会ではこれらは必要なく昔に置いてきて
(子供の霊を成仏させることで区切らせている?)
新しい社会は君たちに託したぞというメッセージを受け取った。
昭和の暗い風習は沙夜さんのような悲劇的なモンスターを産んでしまう。
・こういったメッセージ性だけでなくともバトル面はちゃんとゲゲゲの鬼太郎らしい描写があったのでそういった面でも見応えがあった。
・村の掟の裏側などを含めるとものすごく重厚な内容だった。