風来坊

ブラックウォーター 潜水艇ナルコサブの風来坊のレビュー・感想・評価

2.0
巨大麻薬カルテルに妻と娘を拉致された元ネイビーシールズの主人公が、人質解放の条件として潜水艇で麻薬の密輸の仕事をさせられる事に…。アメリカ製のクライムアクション。

冒頭でいきなり事が起きてテンポが良いなと思いきや、主人公の娘とは関係ないという…。時系列をバラバラにしたり妙なところで変に変化球な構成で分かり難く回りくどくなっている印象。
単純な話をどうにか工夫しようという意図は分かりますが裏目に出ていたように思います。

主人公の風貌がホスト崩れのようでどうにもチャラくて凄腕の元ネイビーシールズには見えない…。あの前髪はどう見ても邪魔でしょう(笑)
まあルックスは良いのでカッコいいですが、主人公の活躍感が薄いので折角のルックスが活かされない事に…。

数々の映画で悪役を演じて来た"入れ墨男"ことロバート・ラサードさんが悪役として本作でも存在感を見せてます。若い頃はちょっとシャープでしたが、歳を重ねて恰幅がよくなり貫禄が出た感じですね。

更に脇を固めるのは一時期は大作戦争映画にこの人ありと言われたトム・サイズモアさん。最近はアサイラムの映画で客寄せでショボい役での出演が多かったですが本作では割とまともに演技をしていて存在感を見せていまし
た。

タイトルにある潜水艇ナルコサブも脇役的な扱いで物語への絡みは薄い…。何故にこのタイトルにしたのだろう?
アクションシーンはスローや早回しに頼ってはいますが、それなりには迫力はありました。

アクションとしての見せ場も薄く、ストーリー構成を工夫した割にはイマイチでした…。まあ監督は本作をアクション映画として見せたかった訳ではなく、麻薬組織に絡むダークなクライムサスペンスにしたかったのだと思います。ただそう見ても私の好みの作品ではありませんでした…。

まとめの一言
「トカゲの尻尾切り」
風来坊

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