至って個人的に、ジャニーズという看板を掲げなくても表現者として成立していると思っているジャニーズのなかの1人、藤ヶ谷太輔。
三浦監督だから独特なんだろうなと思って臨んだが、それ以前に今作の前身が舞台だということに驚き。
劇中の香里奈演じる裕一姉の台詞にあった『笑えないガチのクズ』
その言葉が痛烈にハマっていた藤ヶ谷太輔演じる裕一。
クレバーで爽やかなパブリックイメージの彼が、学ぶことをしない幼稚な青年を見事に演じており、展開的に先は読めたけれど裕一の更なるクズっぷりを欲しがっていた自分がいたのも確か。
後半のクライマックスで斜め前の座席の恐らくファンであろう女性がしきりに涙を拭いていたのが見えてしまったが、私的には豊川悦司演じる裕一父のあの短い一言にウルッときた。
やっぱトヨエツいいわー、と。
人生一度でも｢逃げた｣ことがあれば、きっと裕一を手放しでクズとは言えないだろう。
落ちに落ちても這い上がれるか否か。
その部分を生々しく演じていた藤ヶ谷太輔が凄く良かった。
エンドロール直前の演出、あのエモさは個人的にとても好き。
やっぱり彼は色々と上手い。
