だいち

そして僕は途方に暮れるのだいちのネタバレレビュー・内容・結末

そして僕は途方に暮れる(2022年製作の映画)
4.1

このレビューはネタバレを含みます

藤ヶ谷くんは、こういうモラトリアムな感じの役がとても似合うな、と感じた。青臭いというか。他のキスマイメンバーでは出せない気がする。
序盤は嫌なことがあると逃げる→家に泊まらせてもらう の繰り返し。
そりゃ怒られるわな、と思うような言動。しかし本人はプライドを守るためか逃げる。
父のことを軽蔑の目で見てる反面、実は自分こそがいちばん父のような生き方をしてしまっていることに気付かない主人公。
それは父と会った時から剃っていない髭が父と同じことからも分かる。
しかし、母のことで父から離れ、一本踏み出す主人公。そこへ、今まで縁を切っていたと思ってた人たちが集まる。
本人はそれでもプライドを捨て切れないが、姉の言葉でようやく本心を話す。
なんか、なんか、と、もがきながらも変わろうとする主人公はリアルだった。
その後、ハッピーエンドになるかと思いきや、主人公の知らないところで起きていたことが分かり、「これが現実、ハッピーエンドだけじゃないよなぁ」と思わされる。
しかし本人に取っては、1人の母、知らないところで苦労を掛けてきた姉、親友だった人、などと折り合いをつけた上で、1人歩き出す、という終わりは絶望の中の一筋の希望といった感じに思える。

さすが、「何者」で就活や若者のリアルを描いた監督だと感じ、個人的にもグサグサ刺さるような言葉や登場人物の行動があり
身につまされた。

1つ、なんだったんだ⁇と思う点は
主人公が序盤に浮気した相手である。
主人公が脱走後に、家を訪れた彼女だが、怪しげな口元を見せただけで、それ以降家で何があったのかなどは言及されずに終わる。あの彼女の行動にどんな意味があったのか、ただ浮気をしてたのがバレて笑ったのか、しかしわざわざ同棲してる家に行くはずもなく連絡先も分かるはずがない。
どなたか、分かる方がいたら説明を受けたい。

ps.たまたまTOHO新宿を選んだが、まさかの舞台で、しかもTOHOのバックで最後終わるとは思わなかった。
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