サンタバーバラ国際映画祭にて。
第二次大戦ドイツ占領下のデンマーク、ドイツに食料供給や兵役で協力していたっていうのはつい最近別の映画でも観た。
障害を持つ息子と暮らす母。ドイツ軍として息子カレが徴兵される。
兵士には不向きという診断書も古かったため無効、目の前で息子は連れていかれる。
ドイツと協力しながらもデンマーク国民はやはり内心違和感ありのようで、「私はデンマーク人です」とアピールする場面がよく出てくる。
望まぬ戦争、蛮行を繰り返すドイツ軍に加わること、障害を持つ愛しい息子を危険にさらすことのトリプルパンチのお母さんが取った行動は、そこまでするのか…とも思うが、唯一の大切な者を失うくらいなら、一緒に死んだほうがマシということなんだろう。
息子を戦争に送り出して自分は残って、万が一息子が亡くなるようなことがあったら、何もできずに送り出したことを後悔するからだろうね。
ずいぶん大胆に軍に潜り込んだが、バレるバレないは大した問題じゃなかった。
お母さんが参戦したことにより微妙に変わる部隊の雰囲気、やっぱり戦下でもそういうことってあるんだなぁ。あの描写は映画的には無くても良いんじゃないの?と思ったりもした。
女性として扱われ、トレーニングもろくにしてないお母さんだがどんどん肝が座っていく。簡単に言ってしまえば母強しなんだろう。
戦争ドラマでありながら敵はあまり出てこないしドンパチもさほどない。
息子を思うがゆえ良く言えば果敢、悪く言えば無謀な行動に出た母目線で数ヵ月を描いたドラマだった。