ちゅにちゃん

20歳のソウルのちゅにちゃんのレビュー・感想・評価

20歳のソウル(2022年製作の映画)
3.0
病により20歳の若さで命を終えた主人公の夢や病との闘いを描いた実話。主人公が高校在学中に吹奏楽部に所属し、音楽と出会えた事は素晴らしい。主人公が病院の屋上で「何で俺だけがこんなめに会うのか。何か悪い事したのか」と叫ぶシーンは何とも切ない。いくら叫んでも誰も何も答えてはくれない。結局、自分の人生は自身で歩んでいくしかない。失意のどん底で感じたものは「ただ生きているだけで幸せ」と言う事実。死に直面した時、家族や友人と過ごした日常がとても愛おしく思えてくる。葬儀場でクラスメイトが集まり演奏で送り出すシーンはとても感動的だ。主人公とは対極的だが、コロナに感染し治療も受けられず、誰にも看取られず孤独と不安の中で亡くなっていった人々の無念さにも思いを寄せたい。