磯野マグロ

Ribbonの磯野マグロのレビュー・感想・評価

Ribbon(2021年製作の映画)
4.0
【きっともっとよくなる】40

のんの劇場公開映画監督デビュー作。見てほんとうによかった。
親友のいいヤツ役に山下リオを持ってくるのは大正解だし、妹の小野花梨はお姉ちゃんが華やかな洋風超美人なのに対してちまちまと和風顔で、ああ妹はお父さん似なのかなとか想像するのも楽しい。
映画の前半はコロナに閉じ込められたあの頃を、コミカルに描く。基本は家にこもってるだけなので大したことは起きない。その単調さを救うのはのんの美貌。出てるだけで、見とれて間がもってしまう。
後半になってぐっと話が動き出す。見るほどに「ああこの人は、出るだけの人ではなく、自分でトータルにものをつくる人なんだ」という事実がその熱気とともに伝わってくる。最後の山下リオとの合作(?)、すごく良かった。アート寄りの映画なんだけど、アート映画ではなく、アートを想う映画になっている。
「創作あーちすと」という肩書きで、「ん?ちょっと自分には合わないかな」と感じる人もいるかと思うんだけど、もっとリーチの長い、アプローチのよい、みんなに届くものを作れる人。これからもっとどんどん、映画を撮ってほしい。
磯野マグロ

磯野マグロ