唐突に映し出される『Преступление и наказание』の文字、つまり『罪と罰』というタイトルは、言うまでもなくドストエフスキーの援用であり、ドタバタ・コメディにシリアスな名作のタイトルを持ってくることですでにそれが「ギャグである」ことが明示的に演出されるとともに、これがオムニバス形式の複数部作品であることが示唆される。
さて、本編の話をしよう。『罪と罰』では、都会なのか田舎なのかよくわからない、中途半端な《作り物くささ》のある町(村?)でのあれやこれやが描かれ、そのあまりにも《演劇的な》印象が、映画のタイトルである『Не может быть!』つまり "It is impossible!" をメタ的に表現・象徴しているのでは、と勝手に深読みした。