都部

スナッチの都部のレビュー・感想・評価

スナッチ(2000年製作の映画)
5.0
最高の映画の一つ。86カラットのダイヤを巡るどこか抜けたアウトロー達の即興劇。綿密に練られていたはずの計画が大バカのやらかしのせいで無茶苦茶な方向に捻じ曲がっていくというプロットは非常に痛快で、端役までも癖の強いキャラクター達による会話劇の数々はセンスが迸っている。キャスティング、演出、劇伴、全てにおいて秀逸なのだが計算された馬鹿共の喜劇としてこのストーリーを纏め上げる脚本は何より激賞されるべきだろう。六発の弾丸を食らっても死なない男だの四本指の殺し屋だの観客を煽りに煽る設定からスカし倒して笑いを誘う、滑稽なカタルシスはタランティーノ映画に通ずる部分もあるように思う。布石や伏線の拾い方もスマートで、カオスを極めるこの物語の終幕を綺麗に着地させる手腕は惚れ惚れとするとしか言いようがない。
何度観ても面白い映画です──Love。
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