good作品。多くの人に愛される作品ではないだろうか。
”聴覚障害と”歌”という要素の組み合わせは、プロットとしては考えつきそうなものであるが、それをここまで丁寧に仕上げているところが凄い。
ストーリーに意外性があるわけはないが、シーンが短く、散文が連続していくような進行がとても心地よい。
「はじまりのうた」「シング・ストリート」のジョン・カーニー作品にアマゾンオリジナルの「サウンド・オブ・メタル」の演出を組み合わせたような作品だ。
舞台となっている港町の描写も素晴らしく美しい。初めはアメリカであることがわからなかった。
また、インクリーシブな話を社会問題として描くのではなく、個人や家族の話として描いたこともとても興味深い点だと思う。
最後の方はちょっと強引に泣かしにきていた感じもあるが、それはそれで良かったようにも思う。
意識的に「無音」を感じるというあまりない経験ができるので、行けるなら映画館で鑑賞してほしい。