このレビューはネタバレを含みます
聾唖の家族の中で1人健聴者として生きるということ。その中で感じてきたであろうマイナスな感情も、それ以上の家族の愛で包み込んでくれている…そんなあったかい家族を描いた映画だった。多少の衝突はあれど、生まれ育った環境を大切にしているという気持ちや行動は節々に見え、最後までその姿勢を一貫させていることでより別れが美しく描かれていたように感じた。
加えて良い歌と手話。歌唱のカットで音を消す演出でその対極性を見せるところ。声を喉の震えで感じようとする父親の姿も良かったけど、音大の入学試験で手話を交えて歌を表現するシーンがやっぱり良かった。
それにしても手話ってやっぱりパワーあるなぁ。音として発する言葉以上に刺さる気がする。ストーリーとしてはまぁ普通のように思えるけど、そんなプラス要素が色々加わって観に行って良い映画だったと思えた。こういうの邦画で作る監督さんが出てきてほしいなぁ。(オレンジデイズが今思いつく中では最高…?)