もりいゆうた

コーダ あいのうたのもりいゆうたのレビュー・感想・評価

コーダ あいのうた(2021年製作の映画)
4.5
またひとつ傑作が生まれた。泣いた泣いた。映画館でこんなに泣いたのは『劇場版 ヴァイオレットエヴァーガーデン』ぶり!!!!

いい映画は次の日でもまだ感動してる。記憶に残っている。先週『さがす』見たときもそうだった。

ラスト20分くらいの「感動の畳み掛け」が本当に半端じゃない。泣けるシーンが5ヶ所くらいあって、今YouTubeでMVの動画を見てただけでまた泣ける。ネットの感想読んでるだけで鳥肌が立つ。それぐらいラスト30分素晴らしかった。

今年のアカデミー賞ノミネート作品まだ見るの2本目だけど、もうこれで良くないですか。


家族唯一の健聴者が歌うことを選ぶって設定がいい。「反抗期ね。私が盲目だったら絵を描いてたんじゃないの」って母親に言われるところとかも、いい。最初はそれくらい真面目に取りあってもらえなかったのに……


世界には200以上の手話があるのなんてまるで知らなかった。
「手話は世界共通だと思っている方が多くいらっしゃるのですが、違うんです。音声言語と同じように、それぞれの地域の文化を反映した手話が存在するんです」とマーリー。

そして、聴覚に障害があり、俳優でダンサー、監督でもあるアレクサンドリア・ウェイルズ氏をASL(アメリカ手話)の監督として迎え入れ、台本の監修の他、撮影現場での手話通訳は全て彼が担当したとのこと。

そのおかげで、最初に耳の聴こえるスタッフが配置した家具についても「聴覚障害者のいる家庭ではこういうふうに家具は置きません」と指摘があったそう。部屋のどこにいても、人が入って来たかがわかるように必ずドアが見えるように置き、視覚で物事を捉えやすいように、円を描くように物を配置するそうです。

そうした耳の聴こえない人でしかわからないディテールの指導を徹底的に受けたことで、より映画にリアリティが生まれたのでしょう。


主演のエミリア・ジョーンズさんのファンになった。NEXTエマ・ワトソンなんて言われてるのね。

本作はフランスの映画『エール!』(2014年)のリメイクらしいのだけど、これを超えることはないと思うのでもう見ません!


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ところで、ちょっと愚痴ってもいいですか。本作でもとびっきりのシーンである発表会で親目線(耳が聴こえない家族目線)に切り替わり、完全無音になるシーンあるじゃないですか。

館内、完全に無音にならないとおかしいじゃないですか。

ちょうど目の前に座っていた人がそのシーンでポップコーンを食べ続けていて、初めて後ろから椅子を蹴り上げてやろうかと思いましたよ。

あのシーンでポップコーン食べていられるとかどうかしてる。こんなおっきなポップコーン買ってピクニックでもしに来たんか?え?
ふぅ(๑´• ₃ •̀๑)