このレビューはネタバレを含みます
聾啞者が漁師できるのか!?というのが衝撃だった。実例はあるんだろうか。
聾唖者しかいない中でルビーがヤングケアラーとして立ち回ってるのはかわいそうだった。
家族の間のことだから他人がどうこう言うものじゃないんだろうけど、あれは搾取だよなあ。
兄貴はそれに負い目と苛立ちを感じてるのはよかった。
でも寄り添うって態度ではないので、うーん。でも兄妹仲は良好そうだしあれでいいのかw
お父さんはチャラそうだけど、発表会のシーンを通してルビーの歌の才能をきちんと受け止めようとしているのがよかったな。
歌うルビーの喉に手を当てて、振動で理解しようとするのがいい。
「ベースの振動が響くからラップが好き」っていう設定とも調和してたし。
「家族だからってずっと一緒にはいられない(だからいつまでも健聴者のルビーに頼るつもりはない)」という気持ちもあったようだし。
ベタだけど歌の途中で無音になるシーンは、耳が聞こえない世界がどんなものか」というのがよくわかってよかった。
このシーンは自宅で見るよりも劇場で見たほうが絶対ハッとするシーンなので、劇場で見てよかった!と思った。
手話をつけて歌うシーンはすごくよかった。うるっときた。
耳が聞こえないから仕方ないとはいえ、娘の発表会の最中に晩飯のメニューについて話かけるお母さんにはドン引き。
お母さんと話すシーンでルビーは「ダメな母親なのは耳が聞こえないからじゃないし」と茶化して見せたけど、あれ本音なんじゃないかな。
お母さん、ぱっと見明るくて楽しげな人だけど、基本的に母親というよりも女、かつ、自分本位って感じで好きになれなかった。
マイルズくんとのファーストキスのシーンはめちゃめちゃ可愛かった。
ぎこちないのがめちゃくちゃ萌える。
コーダであるルビーのヤングケアラー問題をどう解決するのかと不安だったけど、ちゃんと健聴者を雇って漁を始め、彼女を大学に送り出す結末なのはよかった。家族愛でふわっとぼかされたらやだなあ…台無しだなあと思ったので。