ツカサ

コーダ あいのうたのツカサのレビュー・感想・評価

コーダ あいのうた(2021年製作の映画)
4.5
家族とは個人を暖めうる糸のような性質を持つ反面、個人を縛り付ける鎖でもあるという側面が描かれているのがよかったです。

この映画を観た人は家族の肯定的な部分に目を向けがちだけれど、主人公が学校で変わり者扱いを受けているのは間違いなく家庭環境のせいであるし、健常者の家庭だったら大学に進学するのを止めたりはしないと思う。家族だから頼ってしまうし言い方を変えれば搾取してしまう。

基本的には愛で溢れている家族関係の負の側面が所々垣間見えて、「家族って確かにこうだよなぁ」と考えさせられました。

また、手話の熱量に終始圧倒されてしまいましたね。調べたら実際に耳の不自由な役者を起用したという。『ドライブマイカー』を観たときも思ったけれど、手話って作品の良いスパイスになり、映画の表現の幅を広げると認識させられました。手話の他にも耳が不自由であることを活かした表現や演出が散りばめられています。つい笑ってしまう下ネタなんかも...。

笑って泣けて心が温まる作品が好きな人なら必ずハマると思います。
ツカサ

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