そーる

コーダ あいのうたのそーるのネタバレレビュー・内容・結末

コーダ あいのうた(2021年製作の映画)
4.2

このレビューはネタバレを含みます

Amazon primeにて鑑賞。

本作はだいぶ期待していたのですが、
ちゃんと期待値通りの作品でした。

コーダとして生きる高校生とその家族の物語。
家族で1人だけ耳が聴こえるという孤独と重圧を繊細に表現した作品だと思います。
そして手話で展開されるパートと音楽のパートがこれでもかというほど塩梅がよく、最後まで食い入るように見てしまいました。

どうしてだろうなあと本作を調べてみると、
家族を演じていた方達は本当にろう者なのですね。
だから自然に感じたのか、、
当方は耳が聴こえる者なので、もちろんその立場からの感想に過ぎないのですが、違和感なく見れました。
というのも「ドライブマイカー」の手話シーンについて一部で批判がありましたが、自身もそのように思った節がありました。
調べてみると、手話を知らない監督が手話を知らない俳優に適当に手話をさせ、それに感銘を受けたから演出として入れたとのインタビュー記事が。
んー、、、正直手話を生活として使用されてる方からしたらこんな事実たまったもんじゃないのだろうなとその時思いまして、
いわゆる健常者による娯楽の為の消費になっているのではと。

本作についても、鑑賞前はそんな心配を少ししていたのですが野暮でした。
主人公の発表会では本当に音が消えます。
家族からの視点になり、鑑賞している人も疑似ではありますが、同じ視点に立つことができます。
しかし、バークリー大のオーディションのシーンでは手話付きの振りと、主人公の魅力的な声の演出によりどちらの視点に立っても鑑賞することができます。

ここの演出は上手いなあと思わざるを得ませんでした。
実際ろう者の方が本作を鑑賞したらどのような印象を受けるのか気になりますし、
月並みかもしれませんが手話に興味を持ちました。
本作はそれほどに、意義のある作品だと個人的には思います。
そーる

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