2022.8/16
フランスオリジナル版の「エール！」よりはイマイチ。
両親をより破天荒で個性的にしつつ、オリジナルでは影の薄い弟だったキャラをお兄ちゃんに変更して理解者を増やしたのはよかった。父、母、兄の3者の個性と、その個性が形作られたであろう葛藤に光が当たっている。
一方で理解者を増やしてる分、主人公の孤独を印象付けるのに不十分で、歌の魅力も減退してることと負の相乗効果でフランス版オリジナルよりは感情をドライブし切らなかった。それでも泣くけど。泣くけどね。
フランス版を見た時にはあまり感じていなかった気がする点として、主人公のヤングケアラーとしての苦しみがしっかり描かれてて良かった。私なのか？これだけ家族のために尽くしてきた私を責めるのか？この犠牲が当たり前だと思っていないか？お父さん、お母さん。というシーンのパンチ力はしっかりあった。苦しみを慟哭だけでなく、悲しみだけでもなく、怒りと言明によって表現して家族に立ち向かった本気さが主人公の性格と存在を体現していた。
